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心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは

超高齢化社会を迎える我が国では、心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化を基礎とした虚血性心疾患の増加・心臓弁膜症や高血圧による心疾患増悪によって、心不全の患者さんが急増しています。心不全パンデミックと呼ばれることもあります。
心不全の罹患率は高齢になれば高くなり、罹患者数は全国で約120万人、2030 年には130 万人に達すると推計されています。
実際、心臓病は日本での死亡原因の第2位となっており、2023年には年間約23万人の患者さんが亡くなっています(厚生労働省 人口動態統計より)。
そのため、「心臓病といかにうまく付き合っていくか」、「いかに健康寿命を伸ばしていくのか」、が超高齢化社会を生きていく上で重要なテーマとなります。

そこで、現在注目されているのが心臓リハビリテーションです。

心臓リハビリテーションは、動脈硬化や心不全を抑制・改善し、再発予防に非常に効果的な治療です。
心機能が低下すると、全身の筋力も低下し、不安や抑うつなどの精神的な症状を伴うことがあります。
心臓リハビリテーションでは、医師の治療に加え、理学療法士、看護師、管理栄養士、健康運動指導士など多職種が連携し、これらの不安を解消し、心臓病の患者様が安心して社会生活に戻れるように、総合的にサポートします。
そのため、心臓リハビリテーションは、「生活の質と長期予後の改善をめざす疾病管理プログラム」と考えられています。

心臓リハビリテーションの
効果

心臓リハビリテーションでは、身体機能の向上、生活習慣の改善、生活の質の向上を目指し、運動療法を中心に、食事指導や禁煙指導を含む生活指導や、カウンセリングなどを行います。心臓リハビリテーションには、以下の効果が期待できます。

①身体的効果

持ち物
  • 運動能力の改善
  • 筋力の改善
  • 疲れやすさの改善
  • 炎症の改善

→これらにより心臓病の再発や再入院の予防、長期予後(死亡率)の改善が期待できます。

②精神的効果

持ち物
  • 抑うつや不安を改善

→病気に関する不安が解消することで生活の質が改善します。

③二次予防効果

持ち物
  • 動脈硬化危険因子(血圧・コレステロール・体重・禁煙など)の改善
  • 運動療法による予後改善

→心臓病の再発・死亡率の改善が期待できます。

心臓リハビリテーションの
対象となる病気(保険適用)

保険が適用される心臓リハビリテーションの対象となる病気には、次のようなものがあります。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 心臓の手術後(冠動脈バイパス術、弁膜症手術など)
  • 慢性心不全(①左室駆出率40%以下、②BNP 80pg/ml以上またはNT-proBNP 400pg/ml以上、
    ③心肺運動負荷試験(CPX)における最高酸素摂取量80%以下)
  • 大血管疾患(大動脈瘤、大動脈解離など)
  • 末梢動脈疾患(下肢閉塞性動脈硬化症など)
  • など

対象となる病気の場合、心臓リハビリテーション開始から150日間は健康保険が適用されます。
医師が継続の必要があると判断した場合は、150日を超えても健康保険が適用されます。
対象となる病気を有されている方は、主治医にご相談もしくは神戸市灘区にある本庄医院へご相談ください。

心臓リハビリテーションでは
どんなことをする?

心臓リハビリテーションではどんなことをする?心臓リハビリテーションでは、運動療法を中心に、食事指導を含む生活指導や、カウンセリングなどを行います。
心臓病では心機能が低下し、治療や入院中の安静によって運動能力や筋力も低下します。
そのため、心臓に過度の負担をかけない適切な運動療法を通じて、心機能や運動能力の改善を目指します。
また、動脈硬化・血圧上昇・コレステロール値上昇の進行を防ぐために、食事や禁煙などの生活指導も行います。


当院の心臓リハビリテーションの流れ

当院の心臓リハビリテーションは、以下の流れで行います。

1診察・カウンセリング

診察・カウンセリング医師による診察、看護師・管理栄養士によるカウンセリングを行います。
また、医師・管理栄養士が協力しながら適正エネルギー・栄養バランスを考慮した栄養指導を行います。
個々の患者様の生活背景を配慮し、無理なく継続可能な食習慣をサポートします。

2検査

必要に応じて提携病院(神鋼記念病院・神戸海星病院)で心肺運動負荷試験を行います。
心肺運動負荷試験では、心電図の電極を貼り、呼気のガス分析をするマスクをつけ、血圧を測定しながら自転車を漕ぎます。
心電図や心拍数の変化、不整脈の出現、血圧の変動、呼気ガスのデータを解析し、運動耐用能と適切な運動強度を評価します。

3検査の説明

医師が、運動の適性、検査結果に基づいて説明と運動処方を行います。

4心臓リハビリテーションの予約

リハビリ(運動療法)の予約をします。必要に応じて栄養指導の予約もします。

5予約日に心臓リハビリテーション(運動療法)

予約日に心臓リハビリテーション(運動療法)診察・運動療法を行います。以下の手順で運動療法を進めます。

  1. 血圧・脈拍測定などの体調チェック、モニター装着
  2. ウォーミングアップ(準備体操、ストレッチ)
  3. 有酸素運動(20~30分)や筋力トレーニング
  4. クールダウン(整理体操、ストレッチ)
  5. 運動後のメディカルチェック(血圧・脈拍測定など)

6次回予約

次回のリハビリ(運動療法)を予約します。

心臓リハビリテーションの費用

心臓リハビリテーションは、医療保険が適用されるため、自己負担額は患者様によって異なります。
一般的に、1回の心臓リハビリテーションは1時間程度が推奨されており、費用は概ね600円から2,500円程度とされています。